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【ART PROJECT with P.G.C.D.特別企画】アート対談[パート2]自分の大切なものを見出すフォトコンテスト「わたしの大切な場所と大切な時間と◯◯」

【ART PROJECT with P.G.C.D.特別企画】アート対談[パート2]自分の大切なものを見出すフォトコンテスト「わたしの大切な場所と大切な時間と◯◯」

アートを通して自分の美的価値観を発見し、新しい自分に出会うP.G.C.D.のプロジェクト『ART PROJECT with P.G.C.D.』。

今回は、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻准教授 薄久保香様をお迎えして、アートイベントを開催します。

第2弾は、「One million One heart」フォトコンテストです。(※募集期間 8/17 土まで)
テーマは、「わたしの大切な場所と大切な時間と◯◯」

審査員長を務める薄久保氏にフォトコンテストのテーマについて語っていただきました。

【対談者プロフィール】
薄久保 香
東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻准教授
2010 東京藝術大学大学院美術研究科博士課程美術専攻修了 博士号(油画)取得
2022「かくて円環が開き、」rin art association(高崎)「43,800日の花言葉」MA2gallery(東京)
2020「Kaoru Usukubo|Daisuke Ohba」LOOCK(ベルリン)
2013「ミニマル/ポストミニマル 1970年代以降の絵画と彫刻」宇都宮美術館(宇都宮)
2011「横浜トリエンナーレ2011OUR MAGIC HOUR」横浜美術館(横浜)など
_________________________________________
株式会社 ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン 
代表取締役CEO
野田 泰平
1979年福岡県生まれ。2010年に株式会社P.G.C.D. JAPANを設立。「年齢を美しさに変える人」を増やすため、スキンケア・スカルプケアの商品を開発、販売。また、2019年にはホールディングス会社である株式会社JBI GROUPを設立。企業理念『Pay forward』を掲げ、“世界を幸せにする人を増やす”という使命のもと、サスティナブルな商品、サスティナブルな事業を創造し、社会と未来に貢献する。

「わたしの大切な場所と大切な時間と◯◯」のヒント

野田 泰平(以下、野田)
Maison de P.G.C.D. をご覧の皆様、こんにちは。

実はですね、薄久保に審査委員長を務めていただいて、フォトコンテストを企画しています。

今回のフォトコンテストのテーマが、「わたしの大切な場所と大切な時間と○○」で、○○には何を入れてもよく、また、大切な場所、大切な時間を感じられるモノやコトを写真というフレームに収めてもらいます。

データではなく何に印刷してもオーケー、サイズはチェキサイズから最大A4サイズまでを印刷するか、もしくはプリントしたもの…なんらかの形にして送っていただきます。

審査をして、9月1日に表彰式を行うことになっています。

何だか「藝大の入試試験みたいなテーマだね」と、最初決めるときにお話しした印象があるんですけど。(笑)

薄久保香(以下、薄久保)
「わたし」って自画像的なものを想像されるかもしれないし、「場所」って言うとすごく広い意味を持ってくる。場所っていろいろありますよね。部屋かもしれないし、環境とか、コミュニティなども「場所」って言ったりしますよね。

例えば絵画だとフィールド自体の色、そのものに扱われるようなこともありますし、それぞれの解釈ができるのが「場所」だと思います。

あと「時間」、これは私自身も自分の制作に関わってきます。

「時間」も、すごく不思議な存在じゃないですか?野田さんは「時間」ってどういうふうに思われますか。

それぞれが捉える「場所」と「時間」の大切さとは?

野田
「時間」についてですか。すごく狭いことで言えば、やはり人は奴隷だなと思いますよね。

もう「時間」に追われちゃうし、何時に集合って言われたら、そこに行かなきゃいけないし。目覚まし時計で起こされ。昔はね、日の出とともに起きてとか、もしくはニワトリの鳴き声で起きてみたいな、時間はわからないけど、地球の回転によってキッカケが生まれて、そこで人が活動し始めて暗くなったら終わっていく…だったのに、今や目に見える数字によってコントロールされるのが、「時間」という。短い意味ではそうですけど。

一方で「時間」って人の命だなって思う部分もあります。

多分、生まれてから人はゼロに向かって進んでいるので、僕にあと何秒残っているのかわからないですけど、それが一人一人にカウントダウンされながらゼロに向かっていっている。「時間」って自分の命だなあって思います。

僕は、よく会社のメンバーに「今日集まってくれた皆の命を使っているんだよ。せっかく皆の命を使っているんだからこの時間大切にしようね」とか言ったりもしているので、命を使っていることが「時間」なんだとすごく思いますね。

薄久保
「時間」が大事なものというのは、それぞれ認識があると思います。

いきなりお題だけ出されちゃうと、「時間」は先ほどおっしゃってくれた、時計とともにある数字という認識も結構強いかもしれません。

今回、この「大切な時間」は私の中では可視化させたり、それを規定しているフレーム化するのではなく、もっと抽象化されていたり、内面化されていたりするものと捉えています。もちろん時計とか出てきちゃダメという意味ではないのですけど。

大切な「時間」ですが、そこにいつも自分が絡んでくるとは限らないじゃないですか。

その、区切られたような、タスク化されたような「時間」とは全く違う、それぞれの「時間」の考え方って何だろうみたいなのを、まさに、この問いを通して考えてもらえたら、面白いものが出てくるんじゃないかなと。

野田
料理のプレートだけでも、朝昼晩の時間がなんとなくわかるのも面白いですよね。これ朝食っぽいよね、これランチっぽいよね、これディナーっぽいよね。

それこそキッチンの汚れ具合も、これ朝なのかな?昼なのかな?夜なのかな?とか。物だけでも時間を感じられるのもすごく面白いなって思います。

薄久保
すごい!良いヒント!(笑)

今、お話ししてくださったように、結局どこを見てるかでもその人の時間性が出てくることがありますよね。逆に何を見ていないのかとか。

野田
そうかもしれない。そうかもしれない。でも気づいたら「それはそうだよな」と思えることってたくさんありますよね。「時間」みたいなことからすると。

薄久保
「時間」は有限だと頭の中ではわかってるけど、それをすごく実感しづらい日々でもあるじゃないですか。やっぱり優先すべきことを、きっちりやり続けることを考えると。

「大切な時間」という言葉って、そこまで特殊な響きは持っていなさそうだけど、「大切な時間」を今一度意識する「時間」がそもそもあまりないではないでしょうか。

野田
その通りだなと思います。

最初の「場所」でも、確かに自分にとって大切って何?となります。

ずっといる「場所」が大切なのか、それともだいぶ遠くになってしまった、なかなか手に届かなくなった「場所」が自分にとってはすごく大切なのかとか。

例えば、地元を離れて今どこか違うところにいる人からすると、「大切な場所」ってすごく「遠くの狭いポイント」を指しているのかもしれないし、そのときの大切だった「時間」を考えると、その瞬間にもう過去になっちゃっているかもしれない。でもそこで何を感じるのだろうとか、ふと改めて自分が大切にしているものを考えさせてくれるテーマなのかなと思いました、伺いながら。

良いお題じゃないですかね。(笑)でも藝大の入試テストっぽいテーマですね。

薄久保
良し悪しとか、合否みたいに思えるかもしれませんが、全然そういうことではなくて。(笑)

あと写真コンテストって言うと、「いやいや私はそんなカメラの知識はないから」「そんなプロじゃないのでとても無理です」と思われる方がいるかもしれないですけど、何をおっしゃいますか。(笑)

皆さんスマホを持っていつも写真を撮ってるじゃないですか。そのことが大事かなと思っていて。やっぱりスキルがないとか専門性がないことって、私も専門外のことを出くわすと、結構それが先に立ってしまう。

でも、裏を返すと始めるキッカケになったり、実は興味があったり、すでに行動の中に組み込まれていることがたくさんあるかなと思っています。

いわゆる専門的な技術力を問うものでは全くないです。なので、そこは楽しんでね。

野田
着想であったり、ヒラメキであったり、そんなことが見えるといいかなという感じですかね。

薄久保
ヒントとしては、「タイミング」というのがあるのかなと思いますね。今、藝大にいらっしゃっていただいてますが、こういう自然の中の環境とか、空の色であったり、光とか雲の流れとか、刻一刻と実は変化しています。

やっぱりタイミングをつかむということに写真はすごく適してるものではあるかなって。絵って結構描くの時間がかかるでしょ。「今」というタイミングを意識してもらったりするといいのかもしれない。

最後の◯◯に何を入れる?見えないモノでもOK!

野田
今回のテーマの最後に〇〇があります。

「わたしの大切な場所、大切な時間と〇〇。」

〇〇には何を入れてもいいですとしたら、ここに対して迷われている人が多いと聞いたので、「何をこの〇〇に入れたらいいのか?どうしたらいいの?」 という人たちに、ヒントをぜひ薄久保さんからお願いします。

薄久保
人間って自由だとなにかと迷うと思うんですけど、その迷いをポジティブに考えてもらったら良いと思います。

この〇〇は、別にモチーフを指しているわけではないんですね。なので、写真に撮れない気持ちであったりとか、感情的なものであったりとか、目に見えないものって何がありますか?

野田
まさに、その時の気持ちです。悲しみとか嬉しさとか、空腹みたいなところもそうだと思いますし、体でいうと体重も見えないですよね。血圧も見えないし…流れている音楽というのは写真の中に見えないなと思います。

あと、香り。見えないものだけど必ず感じるもの。五感は全部そういうのがありますよね。

薄久保
音楽とかでも面白いですね。シューティング(撮影)の現場って何かしら音楽を流してますよね。それは写真には映らないです。でもそこに存在していたというのは、私は結構気になるところで。もちろん具体的に持っている持ち物で、お気に入りのものでもいいと思うんですよね。

これを撮りたいとか。やっぱり何か具体的なものがあると、花とかでもいいし、この人とかでもいいし、対象があることによってそこから引き出されてくるモチベーションもあると思います。

なので、具体的なモチーフとして◯◯に入れてもらってもいいと思う。

逆に温度であったり、音楽であったり、感情に由来するような、見えないものを◯◯と設定してもらうというのも面白いかなと思います。

◯◯は2文字とは限らないですし、すごく長い文章とかになる方もいらっしゃるかもしれないですね。

野田
◯◯に歴史を入れて、大切な時間が10年積み重なるとこうなりましたというのも面白い。いくらでも入れられるのが楽しいテーマだなと僕は思っているのですけどね。

ぜひ「大切な場所、大切な時間、◯◯」。とんちでもなく、改めて自分の大切なものを見出す時間にしてもらえればいいなと思います。

薄久保
素直なというか、自然に出てきたことが実は一番いいのかなと思います。

野田
たくさんの作品を応募してもらえることを楽しみにしていますし、それで壁中が埋まっている瞬間こそ、僕としては大切な場所、大切な時間になるくらい、良い時間が流れるんだろうなと思っています。

薄久保
そうですね。たくさん並んでいるところを見たいですね。

野田
見たい!なんかポツポツだと寂しいから、いっぱい応募してほしい!

薄久保さん、当日楽しみましょう。

薄久保
はい。こちらこそよろしくお願いします。

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