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歯のエイジングケア通信〜対談篇VOL.5

過剰なホワイトニングは危険!? 

【肌の色に合った自然な白さを目指して】
医療法人社団 千寿会 理事長 本間 輝章×P.G.C.D.代表 野田 泰平[VOL.5]

歯と歯茎の健康について、医療法人社団 千寿会 理事長 本間 輝章先生をお呼びしてお伺いしていきます。
今回は、歯の白さについて。
「とにかく白くすればいい」と考えている人は危険かもしれません。
むやみなホワイトニングは、歯へのダメージも大きくなるのだそう。
ホワイトニングの注意点のほか、歯を見れば年齢や性格などがわかるという裏話も伺っていきます。

■対談参加者プロフィール
医療法人社団 千寿会 理事長
本間 輝章
医療法人社団 本間歯科 新松戸総合歯科診療所副院長
国際口腔インプラント学会ICOI日本大使
元米国ニューヨーク大学ペリオ・インプラント科臨床指導医

株式会社 ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン
代表取締役CEO
野田 泰平
1979年福岡県生まれ。2010年に株式会社P.G.C.D. JAPANを設立。「年齢を美しさに変える人」を増やすため、スキンケア・スカルプケアの商品を開発、販売。また、2019年にはホールディングス会社である株式会社JBI GROUPを設立。企業理念『Pay forward』を掲げ、“世界を幸せにする人を増やす”という使命のもと、サスティナブルな商品、サスティナブルな事業を創造し、社会と未来に貢献する。

日本人にあった白さがある


野田泰平(以下、野田):

今回も、歯と歯茎の健康を本間先生に教えていただければと思います。今日のテーマは「白さ」。弊社製品のトリアイナにも歯を白くする成分がたくさん入っています。多くの人は、「白い歯」をどんな色だと考えているのでしょうね。

本間輝章(以下、本間):

私たち専門家が歯の色を見るときには、シェイドガイドと呼ばれるものを参考にして、周囲の歯と似た色になるよう合わせていています。ただ、そもそもアジア人と欧米人とで歯の色は全く違います。アジア人は、やはり黄色みがかっているんです。

この写真は日本人女性で、ぱっと見ると黄色いと感じるかもしれませんが、比較的一般的な日本人の歯の色。この方が歯を見せて笑ったとき、「黄色くて恥ずかしい」と感じるでしょうか。実は、私達の肌は黄色みがかっているので、決して恥ずかしいと思うような色ではないんです。でも、もっと歯を白くしたい、と考える方が多い。

これは、欧米の影響が強いと考えています。欧米の方のように、黄色みがなく、ブルーがかかった歯の色にしたいという傾向があるんです。

ただ、やはり肌の色と調和しなければ違和感がある。僕のように肌の色が濃い人が急に白い歯になるととても目立ちます。芸能人などに「えっ」と思うくらい白い方もいますね。本人は良いと思っていても、周りの人もよいと思うでしょうか。

野田:
やはり、日本人に合った歯の白さがあるんですね。

ホワイトニングのやり過ぎに注意!

野田:
ホワイトニングをするときに、歯がしみやすくなったりしますよね。
痛いと感じる場合もあるようで、そこまでやると健康的とは言えないんじゃないかと思います。
お口にいれるものとして、加工食品を食べないようにしているようなオーガニック指向の方でも、とても強いホワイトニングをしている方がいます。
なにか違うんじゃないかと感じますね。
ホワイトニングの成分は、歯茎に強い刺激を与えているのではないでしょうか。

本間:
日本で認可されている薬剤は、アメリカなどと比べると濃度は低いんです。また、ホワイトニングをするときには、歯茎にコートをして歯茎に液体が回らないようにします。

衛生士さんにやり方を伝える際に、わざと歯茎を一部むき出しにして液体をつけて見せることがあります。
そうすると、白くただれて2〜3日食事ができないくらいに痛みます。歯茎の表面を脱色して溶かしてしまうくらい強いんです。
手に付いても白く残るくらいです。髪の毛の脱色と一緒で、中から色を抜くので、歯の表面がザラザラの粗造という状態になります。

アメリカに留学した際、発売された最も強い薬剤を、アジア人代表の実験台として試したことがあります。
10分間を1回として、合計3回光を当てるのですが、2回目でキーンと痛すぎて、すべて取ってもらいました。それくらい痛い代わりに、ものすごく白くなります。

 ただ、アジア人代表としてわかったことは、欧米人と歯の構造が違うということ。多くの欧米人の歯は、エナメル質など歯を保護する部分も、アジア人に比べてかなり厚い。
一方でアジア人は薄いので、色が抜けるのは早いものの、より痛みが強くなります。

また、アメリカでは異常なほどにホワイトニングをやり続ける方もいます。ある日見てみると、チーズのように歯に穴がボコボコと開いている。
結果、神経を取らざるを得なくなってしまう方や、被せものをしなくてはならない方などもいます。
少しずつエスカレートしていくので、本人は不自然な白さに気が付かない。そのため、知人に久しぶりに会うとびっくりされます。
白い状態に目が慣れて、「もっと白く……」と思ってしまうんですね。
だから、若い頃の写真がもしあるのであれば、本来の自分が持つ歯の色に近い色味でホワイトニングしていくといいですね。

野田:
白さを求めすぎるあまり、将来とても大切な歯と歯茎の健康を損ねるリスクがあるかもしれないなんて……。
それよりは、長く美しくいられるようなケアをしていきたいですね。