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【ART PROJECT with P.G.C.D.特別企画】アート対談[パート1]スキンケアとアートの交差点〜エクラとアートのコラボレーション〜

【ART PROJECT with P.G.C.D.特別企画】薄久保香×P.G.C.D.代表 野田 泰平[パート1]スキンケアとアートの交差点〜エクラとアートのコラボレーション〜

アートを通して自分の美的価値観を発見し、新しい自分に出会うP.G.C.D.のプロジェクト『ART PROJECT with P.G.C.D.』。

今回は、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻准教授 薄久保香様をお迎えして、アートイベントを開催します。

第1弾として行われるのは
「アートエイド」
P.G.C.D.|日本のアートを救え!P.G.C.D.「エクラ アートエイド (jbig.com)
東京藝術大学美術学部 油画第六研究室の学生へ画材を寄付するというプロジェクト(9月30日まで)です。

「ロシオン エクラ ニュー エラ」(200mL)を購入いただくと、薄久保様の作品をフィルムにしたアートシートとチェキサイズフォトをプレゼント。

薄久保香氏作品「花と果実アーモンドの花言葉」(左)と「Esquis about Olga」(右)

エクラのボトルとレフィルの間に差し込めば、オリジナルアートボトルとしてお楽しみ頂けます。

「アートエイド」に先立ち、P.G.C.D.代表と薄久保香様の対談をお届けします。

今回は、「エクラとアートのコラボレーション」から、ご自身のアートの関わりについて語っていただきました。

【対談者プロフィール】
薄久保 香
東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻准教授
2010 東京藝術大学大学院美術研究科博士課程美術専攻修了 博士号(油画)取得
2022「かくて円環が開き、」rin art association(高崎)「43,800日の花言葉」MA2gallery(東京)
2020「Kaoru Usukubo|Daisuke Ohba」LOOCK(ベルリン)
2013「ミニマル/ポストミニマル 1970年代以降の絵画と彫刻」宇都宮美術館(宇都宮) 2011「横浜トリエンナーレ2011OUR MAGIC HOUR」横浜美術館(横浜)など
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株式会社 ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン 
代表取締役CEO
野田 泰平
1979年福岡県生まれ。2010年に株式会社P.G.C.D. JAPANを設立。「年齢を美しさに変える人」を増やすため、スキンケア・スカルプケアの商品を開発、販売。また、2019年にはホールディングス会社である株式会社JBI GROUPを設立。企業理念『Pay forward』を掲げ、“世界を幸せにする人を増やす”という使命のもと、サスティナブルな商品、サスティナブルな事業を創造し、社会と未来に貢献する。

エクラとのアートコラボレーションについて

野田 泰平(以下、野田)
Maison de P.G.C.D.、いつもは社内でやっていますが、本日は外に出て東京藝大の油画第六研究室にやってまいりました。

薄久保香(以下、薄久保)
今日はよろしくお願いします。

野田
よろしくお願いいたします。

現在、薄久保さんには、P.G.C.D.とアートコラボという形で、ギャラリーでも展示させていただいている作品を、今回我々の「ロシオン エクラ」のガラス瓶に詰めるという企画をさせていただいています。

すごく面白い発想だなと個人的には思いましたし、見え方も全然また違うものが生まれてとても素敵になりました。そんな話から今日は伺っていけたらなと思います。

薄久保
今のセリフは、まさに私からも伝えたいことです。絵画のために制作している作品、それがエクラのボトルに入った時に、全然違うものに見えました。

何かのグッズや商品の一部になっていくというイメージが、私の中にあった訳ではありませんでした。

エクラの持つブランドイメージ、特に自然でミニマルなデザインを意識されていらっしゃると思うので、この絵の中の強い印象の女性のイメージが採用されたことにすごく意外性があったのです。

ですが、すぐに私の中でポジティブな意味で消化されたんですね。

彼女のちょっと特殊なサングラスをかけていたり、手にしているカードのメッセージ性が抽象的であったりとか、だから複数の「見えてるけど見えないみたいな幻影」があることによって、うまく繋ぎ目というか、接続ができているのかなという感じもあったんですね。

その辺りも、ちょっとお話ししていきたいなと思うのですけれども。

野田
うちのブランドというか僕自身もそうなんですけど「相対的な美」というよりは、「自分らしい美」とは何だろうという、それの探求こそが、ある意味人生に、とてもリンクしているなと思っています。

もちろん瞬間的な「今、自分がどう見えているか」という美もあると思います。

また、その人の生き方や、その人らしさ…「品」という言葉をよく使うのですが、次の日になったら「品」が変わっていることはなく、その人の生きている繰り返しや積み重ねが「品」となってあふれてくるのだと思います。

人と比較するものではなく、「自分がどうありたい」が美しさに繋がっていくことに気がついたとき、お客様に提供しているプロダクトや化粧品が、自分らしさの美しさを磨く毎日をより豊かなものにしてくれたり、もっと楽しいものにしてくれたら、そのプロセスさえも、もっと好きになれるのではないでしょうか。

このプロジェクトの間、薄久保さんのアートがそのエクラの中に入っていることで、いつも出てくる美容液のテクスチャーがちょっと違うものに感じられたり、塗布する時の気持ちが前向きになれたり、同じことの繰り返しではありますが、「自分の美しさを作っていく時間が、何かを感じる時間になってくれたらな」と思っています。

薄久保さんの、この絵に初めて出会ったのはAFK(ARTISTS' FAIR KYOTO)の時の清水寺の展示でした。

一発で好きになって、もう目をずっと見ていました。迫力もそうなのですけど、この絵の美しさに、ずっと引き込まれて眺めていました。

この絵を作成されるにあたって、薄久保さんがどんな思いで描かれていたのかを少しお話ししてもらえますか。

薄久保
はい。

先ほど女性たちへのメッセージというか、女性だけではないと思うのですが、自分の中での美の在り方という話があったじゃないですか。それを聞きながら少し考えていたことがありまして。

私、自己肯定感がとても低くて。

野田
誰がですか?薄久保さんが?そんなことはない(笑)。

薄久保
いえ、「ない」と言われそうなんです(笑)、子供の頃からすごくあって、ただ、それを支えてくれていたのが、やっぱり絵を描いてきたことだと思うんですね。

野田
素敵ですね。

薄久保
結構、できないこととか多くて。

ただ、絵を描いているときだけ、「達成できる。してきた。」ということが自分の強さの源になってきたと、それだけは自覚しています。

絵を描いたり、アーティストをやる上での難しさは、多くの人や、多分、学生たちも抱えている部分ではあると思うんですね。

まず自分の理想や、その理想をどこにセットするかの部分もあるし、そもそもそれに到達するためには、やっぱり一朝一夕には行かないところもある。

そして、もし仮に今の自分の力を100%発揮できたとしても、それがまた社会的にであるとか、外部的にジャッジされることを考えたときに、思っているように運ぶとは限らない。

必然的にというか、自動的に相対的な環境に身を置かれてしまうけど、それに振り回されたら絶対に制作し続けられないです。

目的のところにたどり着けないとなったときに、「何を作り出そうとしているのか」という美学であったり目的であったり、原動力になるものが必要になってくる。

私は、遠くに見えている蜃気楼のような目標ではなく、1枚の絵を完成させる為に具体的に「実現させたいこと」と「それに必要なこと」だけに意識と思考を向けて力を注ぐように心がけています。それは、ほんの小さなレベルの変化でもいいと思っています。

前の絵と今描いている絵の中で、紙1枚レベルの違いでしかないかもしれませんが、それに向き合い続けて達成してきたことが、結果的に未来を形成し自分の強さを作ってきたと信じています。

野田
素敵ですね。

今回のコラボ作品に込められた思いとは?

薄久保
話が脱線してしまいましたが、この作品のいきさつにも、すごく本当にたくさんのレイヤーが重なっています。

この絵は、女の子のイメージがメインには見えてくる。

ですが、実は「画中画」の構図になっています。「画中画」というのは、絵の中に絵があるという構造のことです。

私は、写真を「プロジェクトブック」として、自分の制作の源になるアイデアをスケッチブックに何年もため続けています。

そこから新しい作品を作っていくんですね。

新しい写真を昔のアイデアの上に置いて、さらに写真を撮影するという新しいドローイングのようなことをやっていました。

あくまでドローイング的に、過去の自分が考えていた上に新しい自分の写真が乗ってくるという関係性が面白いかなと。

それがもう一度、タブロー(完成された絵画)になっていくのも良いのではないかと思ったので、こういう作品になりました。

写真の中のストーリーも結構面白いです。このミステリアスな女の子は誰かというと、私が20代の頃からお世話になっているベルリンのギャラリーのオーナーの娘さんです。

野田
実在しているのですね。

薄久保
はい、実在しています。

ベルリンのオーナーが日本をものすごく愛していて、頻繁に日本に来るんです。その際にちょっと彼女のことを写真で撮ってみたいなと思って。

私の中では写真が作品を作る上でのドローイングの様な位置づけでもあります。

それで、撮影することになった。

そうしたら、彼女の母方の家系がドイツの中でも古い家柄で、彼女のひいおばあさんから引き継いだ100年以上前のドレスや小物があるので、面白そうだから撮影するときに持っていくと提案されました。

野田
なるほど。今、着ている服が。

薄久保
そうなんです。私としては願ったりかなったりでした。

なぜかというと、偶然性とか、自分発信ではないことを受け入れて活かしながら、イメージを作っていきたいと思っていたので。

これは、持参してもらった服の中の一着です。

既製品とは違って、替えが効かないような一点もの。

かたや、このサングラスは日本の100円ショップで買ったもので、価値的にも時代的にも全然違いますよね。

野田
ポリゴン風のサングラスですよね。(笑)

薄久保
そうなんですよね。身につけると言っても、本当にいろいろな時間軸と価値の差があることが面白くてかけてもらいました。

それだけでもかっこいい写真ですが、さらに、彼女が持っているカードも特別なものです。

私は友達にもアーティストが多くて、要らなくなったドローイングや、失敗した作品を譲ってもらってコレクションしています。

人が残したものって面白いんですよ。自分の現場では絶対に生成されない形、素材、ビジュアルが新鮮なので集めています。

このポストカードは私の古くからの親友でアーティスト、大田黒衣美さんのドローイングです。これを持ってもらった時に、「やっぱりこれだ!」という直感が働きました。

「薄い膜」の積み重ねが美しい毎日を作る

野田
料理みたいですよね。いろいろな素材が一つになって、美しさや見え方を作っている。

薄久保
そうなんです。この時は、絵の中に絵があるという構図に関心があったんです。

大元になっているのは、SNSではないでしょうか。

常にスマホを持っているという暮らしが元になっています。

スマホは、ある意味現代の小さな絵画的な箱。その中から、たくさんの絵やモノを私たちは見ています。

そういう「現代的な絵画の新しい鑑賞体験」と言える、四角い箱の中にさらに箱があるという構造が気になって写真を撮りました。

そしてその写真自体がもう一度、画中にセットされる、というような形になっていますね。

なので、何重もの私の「制作としてのリアリティ」が積み重なっています。

レイヤーの重なりであったり、時間軸の重なりであったり、人と人との繋がりの重なりみたいなこと。本当に一枚の絵の中にものすごいレイヤーが含まれている。

野田
確かに。人との出会いもそうだし、時間軸もそうです。物もそうだし、写真というものからアートになる。いろいろなものの軸が重なっているというアートってことですよね。確かに面白いですよね。

今では、ルーブルに飾ってある絵などもスマホで見られます。

だから実際に見ていないアートを美しいとスマホを見ながら言っていて、それはスマホの画面の美しさなのか、本当にアートの美しさなのか。

はたまた、インスタやXなどで、多くの人がいろんな写真や、自分のポートレートを上げたりとかするけど、でもそれも実際に見てないけど、結局画面というものを通じて美しいと思ったり、ファンになったり、推しメンになったり、推し活したりみたいな。

だって一度も会っていないから、その人の顔って本当にそうなのか、その人がどういうふうな人なのかわからないけど、画面で見ている。

でもそれは「目というレンズ」を通して見ているのもそうなのかもしれないです。だから「どう見るか?」というのも考えさせてくれるアートなのだなって、今改めて聞きながら思いました。

薄久保
私の作品って多分スマホで見たときは、ほぼ高確率で写真だと言われます。

まずはそう認識されて、誤認のプロセスから入るところも作品の内容に組み込まれている。

野田
見るという行為自体が難しいですよね。いろいろなバイアスがかかるし。
だからこそ、本当の意味で自分が何を大切にしたいのかを 持っておかないといけないなって、聞きながら改めて思いましたし、薄久保さんが自分の制作を通して達成していったからこそ、自分に自信が持てるというのも、すごい素敵な話だなと思って伺いました。

薄久保
そういう意味で言うと、どうしてもみんなここ(メインに配置されている女性)のイメージを一番見るってなると思うのですけど、これはあくまで私の制作という意味ですけど、私が一番関心があるのは、右上のマスキングテープであったり、周囲の薄い紙の質感の差であったり、物事の微妙なレベルの差異こそが最も重要です(笑)。

まあ一番とか二番とかはないのですけど、そこが実はすごく重要。

暮らしの中で、右か左かとか、良いか悪いかみたいな、二つとか三つで仕切っていくと、すごく物事って合理的には考えやすいですが、薄い膜のように微妙にあるのかないのか、分からないぐらいの段差の違いが、実はこういう紙でも重なっていくことで分厚くなるものです。

なので、うっすらと実は存在する極薄な膜というか、「段差」みたいなことが自分の制作の核ではないかという感じですね。

野田
男性しかり、女性しかりですけど、肌なんて0.01ミリですよ。その薄さのデコボコや色に一喜一憂してしまうわけで。

「隠さないと!」と思ったり、「あれ?シワが深くなっているかも」と思ったり。(笑)

本当に、たった0.01ミリでも、されど0.01ミリ。その肌が健康的であったり、自分らしかったりすると「すごく素敵な笑顔だな」と思えるのも、その段差と言えます…。(笑)

薄久保
極薄なレベルの差があることが、実は私たちにとっては大事なのかもしれない。

野田
そうですね。アートと繋がる部分もあったかもしれません。

ぜひ今の期間、この作品が「エクラ」のボトルの中に存在していて、今の薄久保さんのお話も含めて、皆さんの毎日のいつもの行為の中に何かを感じる、何かを考えるきっかけにつながってくれたらなと思います。

普通にドレッサーにある「エクラ」の瓶に薄久保さんの作品がいるだけで、僕は毎朝がうれしい時間になっているので。

本当にコラボありがとうございます。

薄久保
うれしい時間になってもらえたら、私もうれしいです。

野田
ありがとうございました。

薄久保
こちらこそありがとうございました。


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