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【好評開催中の個展】藤本純輝氏 アート対談[パート3] 

 ~新しい手法で楽しく描いた作品とともに~

JBIG meets Art Galleryの個展「庭と花瓶」を手掛けたアーティストの藤本純輝(ふじもと・あつき)氏と、P.G.C.D.代表である野田泰平の対談。今回は、作品の解説や将来の展望を語る第3部。P.G.C.D.の石鹸のパッケージや、新作を作るまでのプロセス、藤本氏のこれからなどを話しました。

藤本氏作品によるP.G.C.D.の石鹸のパッケージ

P.G.C.D.の石鹸のパッケージにアート作品を

野田泰平氏(以下、野田)
JBIG meets Art Galleryから、現代アーティスト藤本君との対談、第3部をお送りします。第1部は、藤本君のアートが生まれた経緯、第2部は現代アートの楽しみ方を伺いました。ガンダムの例えはとてもユニークでしたね。今回の第3部では、藤本君の作品の説明や、今回の新たなチャレンジについて、掘り下げていきたいと思います。

まず、僕たちの左右に置かれている作品。実は、期間限定でP.G.C.D.の石鹸を包んでいるパッケージのモチーフになっているんです。

藤本純輝氏(以下、藤本)
パッケージを考えるにあたり、使ったときにどう感じるかが一番大切だと感じていました。石鹸の包みを開いたときに、ふわっとただよう香りを演出できるもの。その時に、本当に花が咲いているような体感を生み出せたらいいな、と考えたんです。そこで、キャンバスいっぱいに花が描かれている作品をつくり、石鹸のパッケージにしました。

野田
今回の展覧会は「花瓶」もテーマのひとつなので、花瓶をモチーフにしてもいいんじゃないかという話もありましたね。でも、よりオーガニックな自然な香りを表現できるのは、一面に咲いている花や植物だろうと。僕自身も、このアートを目の前にすると、香りがただようような気持ちがします。また、箱にするというアイデアもありましたが、紙を巻いた形にさせてもらいました。石鹸は、最初に開けたときに一番香りが強いので、最もフレッシュな瞬間に香りとともに楽しんでもらいたいですね。

開封する中で視覚とともに香りが体感できるのは、この作品だからこそ。とても気に入っています。

藤本
自分自身のアートでは、体感を促すことを大切にしています。作品と向き合った時、追体験を感じてもらいたい。パッケージを開けるとただよう香りが、まさに体験を作り出していると思います。

野田
P.G.C.D.が若手のアーティストさんたちとコラボしたことで、いつも使っていただいている石鹸とともにアートが届き、お客様には見事にマッチした世界観を感じていただけます。お客様にとって、アートが身近になってくれればうれしいですし、アートを生活の一部として捉えてくださる方が一人でも多くなればいいと思っています。

ちょっと宣伝っぽくなってしまいましたが、この期間限定の石鹸とともに、藤本君のアートを体感してもらいたいと思っています。

描いている途中で朝の景色が浮かび上がってきた

野田
藤本君の作品は、ECサイトでも販売しています。「夏」や「朝」など、タイトルに季節や時間が入っているものがありました。

藤本
「夏の庭の朝」は、もともと夜のイメージで描いていたのですが、朝の夜が明ける瞬間の、もやがかかったように見えてくる部分があったんです。そこで、朝の絵にしようと舵を切って、夜が明けるさまを描きました。

野田
対の作品もありますよね。

藤本
「夏の庭」ですね。それは、光が射している庭で、夏っぽくキラキラと明るい印象のある作品です。

夏の庭

野田
光沢の生地を使っていることで、朝露のような、雫のような水分を感じますね。

藤本
朝露が付いた植物に、光が当たってキラキラしているようす。窓を開けた瞬間に目がまぶしくなるような感覚を描き出したくて、光沢のある布を探して表現しました。

野田
生地が変わると、印象がまったく異なりますね。藤本君の作品がひとつあると、その周りがお花畑になったようなイメージを感じます。作品を見て「幼少期のおじいちゃんの裏庭を思い出す」と言っていた方がいました。見る人にとって大切なものを思い出させてくれるんですね。違う言い方をすると、印象派のような抽象的な描き方だから、見る人によって、大切な景色に変えられるんだと思います。

新たな手法で楽しんで描いた大きな作品


野田

もうひとつ、今日お伺いしたいのは、僕たちの後ろにある大作です。今までの作品とは違いますね。絵の具や色の置き方で、とても楽しく描いた様子が目に見えるようです。

藤本
これは、布だけの作品になっています。普段はキャンバスに貼りこんだり、パネルに描いたりしますが、こちらは布の状態のまま、上部で留めています。いつもの作品と違うのは、布同士がくっついていないこと。布と布の間に空気があり、その奥行きが微妙な表情を作り出しています。

使っているのはアクリル絵の具を薄く溶いた水で、普通に描くと水が垂れて雫の線ができてしまうんです。そうならないよう、手に水を付けてパンパンと叩きながら表情を作っていきました。その点では、いつもより体を動かして楽しく描いた作品ですね。

野田
藤本君は、うちのギャラリーでもお子さんと体験できるイベントを設けてくれています。子どもにアートを教えようとすると、きれいに描いたり、正しく描いたりすることを教えがちかもしれません。でも、本来は自分の思い描いている景色を表現して楽しむことが大切だろうと僕は思っています。

この作品は、実際に見ていただける作品で、目にするとお花畑の空気感やにおいを感じますね。布の揺らぎや布に挟まれた空間は、藤本君が計算していないものも含まれている。でも、自然の花や植物はみんなそうですから、本当の意味で自然に近い空間を藤本君が挑戦してくれたのかと思うと本当に楽しいし、これからも楽しみです。

最後に、この先、目指すものや夢などを語っていただいてもいいですか。

藤本
展覧会ではいつも、会場を見てインスピレーションを受け、生み出したい景色を考えていきます。だから、いろいろな場所を見ていろいろな体感をして、この地球上にはない花畑を作るなど、どんどん絵を発展させていきたいと思っています。

野田
今回の藤本君との対談では、たくさんのお話を伺いました。興味を持っていただけたら、藤本君のInstagramもフォローしてもらって、応援していただけたらと思います。

執筆:栃尾江美

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